配偶者のある人と不倫をした場合の不法行為責任

夫婦には、互いに貞操義務があり、不倫をすれば他方の配偶者に対して
不法行為に基づく損害賠償債務を負うことになります。

そして、不倫相手も、妻として、夫としての権利を侵害したものとして、
不貞配偶者と同様、不法行為に基づく損害賠償債務を負います。(共同不法行為)

この不法行為責任は、不倫相手が不貞配偶者を積極的に誘惑した場合に限らず、
自然の愛情による場合でも責任を負うことになります。(最高裁判決)

不倫が発覚した後に離婚とならなかった場合も、不法行為があったことに
変わりはないため、不倫相手に慰謝料請求を行うことはできます。

ただし、慰謝料は、離婚に至った場合と比べて低額になるのが通常で、
離婚に至らなかった場合には慰謝料の支払い義務はないとする説も有力です。
 

夫婦関係破綻後の不貞行為

既婚者と知って不貞行為を行なえば、不法行為責任を免れません。
しかし、夫婦関係破綻後の交際であれば責任を負うことはありません。

なぜなら、夫婦関係が破綻していたのであれば、夫婦生活の平和維持という権利
または保護に値する利益が存在しないからです。(最高裁平成8年判決)

裁判では、夫婦関係破綻の前後をめぐってよく争いとなりますが、
当時別居の状態にあったなら、破綻後の交際との認定に繋がりやすくなります。
 

離婚後に不倫を知った場合

離婚後に相手配偶者が不倫をしていたことを知った場合も慰謝料請求は可能です。
なぜなら、その不法行為性が消えることはないからです。

この点、相手配偶者が、清算条項の記載のある離婚協議書を盾にして
慰謝料の支払いを拒否するかもしれません。

しかし、離婚協議書作成の時点において不倫相手がいることを知らなかった以上、
その清算条項は錯誤によって無効となります。
 

不倫相手に対する慰謝料請求権の消滅時効

不法行為に基づく損害賠償請求権の消滅時効は、被害者またはその法定代理人が
損害および加害者を知った時から3年、不法行為のときから20年とされています。

よって、夫の不倫を知ったときから3年以内に慰謝料請求を行わないと、
慰謝料請求権は消滅時効によって消滅してしまいます。

また、内容証明郵便によって不倫相手に慰謝料請求を行うことがありますが、
この内容証明郵便による時効中断の効力は6ヵ月間しかありません。

その間に、裁判上の請求、支払督促の申立て、和解の申立て、民事調停などの
手を打たなければ、時効中断の効力は消え失せてしまいますので十分ご注意下さい。
 

不倫相手に対する慰謝料請求手続き

不倫相手に対する慰謝料請求は、まずは慰謝料請求の日付とその内容が証明される
内容証明郵便を用いて行います。

そして、内容証明郵便を見た不倫相手が示談を希望すれば、示談書を作成します。
慰謝料が分割となる場合、不払いに備えて公正証書で示談契約をすれば安心です。

公正証書を作成する時は、将来強制執行の必要が生じたときに速やかに手続きが
行えるよう、送達の手続きまでしておきましょう。

不倫を理由に離婚調停を行う場合、その不倫相手に対する慰謝料請求についても、
離婚調停と併せて審理をしてもらうことができます。
 

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