遺棄とは?

遺棄とは、夫婦間の同居義務、協力義務、扶助義務に違反する行為を指し、
夫が家を出て生活費を払わないような事例が典型的な事例となります。

同居義務

同居義務とは、夫婦が同じ住居で生活する義務のことをいい、
単に同居するだけでなく、実体を備えた同居であることを意味します。

従いまして、いわゆる「家庭内別居」は、同居義務に違反していると考えられ、
協力義務や扶養義務にも違反していることになります。

夫婦が別居することについて正当な理由があれば同居義務違反とはならず、
夫の暴力に耐えかねて家を飛び出した場合には、同居義務違反とはなりません。

協力義務・扶助義務

協力義務とは、仕事や家事や育児など、夫婦関係を形成維持していくために
必要な諸事項について協力する義務をいいます。

扶助義務とは、夫婦がお互いに扶助する義務をいい、
生活保持義務(自分と同程度の生活を他方に保証する義務)を負います。

遺棄が問題となる事案

遺棄は、同居義務、協力義務、扶助義務の3つの要件を備える必要はなく、
これらの義務のどれか一つに該当すれば、遺棄に該当します。

たとえば、同居していても妻に生活費を渡さなかったり、
単身赴任をしていても妻に生活費を渡さなければ遺棄に該当します。

悪意の遺棄とは?

悪意の遺棄とは、単に遺棄を認識しているだけでなく、遺棄によって結婚生活が
破綻することを積極的に意欲し、もしくは認容していることを意味します。

夫が不倫相手の家に入り浸る、生活費がないのに働かない、生活費を入れない、
妻を配偶者として扱わない、などは悪意の遺棄に該当しますが、

婚姻関係に疑問を持ち、気持ちの整理をするために実家に帰ることは、
夫婦関係を破綻させようとする積極的な意欲や認容がないため該当しません。

妻が無断で家出し、1年6ヵ月所在不明とした事案について判例は、
悪意の遺棄は、「悪意」でなしたという主観的要件が必要だと判示しています。

また、「悪意の遺棄」を理由とする離婚が認められるためには、
それによって夫婦関係が完全に破綻していることが必要とされます。

離婚訴訟において、主観的な事由を含む悪意の遺棄の立証は難しいことから、
婚姻を継続し難い重大な事由を併せて主張することになります。

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