離婚後300日以内に生まれた子供の問題

親子関係について、民法770条は、妻が婚姻中に懐妊した子は夫の子と推定すると
規定しています。

そして、婚姻の成立から200日後に生まれた子供、婚姻の解消から300日以内に
生まれた子供も、婚姻中に懐胎したものと推定すると規定しています。

以上の規定により、夫と離婚をしても、その後300日以内に生まれた子供は、
法律上夫の子供であると推定され、夫の戸籍に入ることになります。

離婚後すぐに再婚し、子供を出産した場合において、
その子供を夫の戸籍に入れない方法としては次のようなものがあります。

親子関係不存在確認の調停・合意に代わる審判

親子関係不存在確認の調停申立てを行い、そこで前夫が自分の子供ではないと
否認をすれば、その旨の合意に代わる審判を得ることができます。

その家庭裁判所の審判書を添えて子供の出生届を提出すれば、
生まれた子は前夫の戸籍に入ることなく、現在の夫の戸籍に入ります。

嫡出否認の調停・合意に代わる審判

前の夫が、その子は自分の子供ではないと主張するためには、
子の出生を知ったときから1年以内に嫡出否認の訴えをしなければなりません。

この嫡出否認の訴えができるのは、前夫の存命中は前夫のみなので、
事情を話して前夫から嫡出否認の調停の申立てをしてもらいます。

その家庭裁判所の審判書を添えて出生届を提出すれば、
生まれた子は前夫の戸籍に入ることなく、現在の夫の戸籍に入ります。

認知の調停・合意に代わる審判

母親あるいは子どもから実の父親に対して、強制認知の調停申し立てを行い、
実父との父子関係を証明するDNA鑑定書を提出します。

そして、認知について合意に代わる審判を得て、その審判書の中において
前夫との父子関係はないとの記載があれば、それをもって手続きができます。

この方法は、前夫を家庭裁判所に呼び出す可能性が低くなりますが、
前夫に対して事実確認が行われるのが通常です。

親子関係不存在確認の裁判

前夫が調停に出席しようとしなかったり、海外に居住していたり、
出席すること自体不可能であったり、行方不明などの場合があります。

その場合は、親子関係不存在確認の裁判を行い、前夫の子ではない旨の確認判決を
もらうことによって、前夫の戸籍に入れない手続きを行うことができます。
 

離婚後の戸籍の問題

結婚によって氏を改めた妻は、離婚によって離婚前の氏に戻ることになり、
戸籍も、結婚前の戸籍に戻るのが原則です。

ただし、離婚後3カ月以内に届け出れば、離婚後も婚姻中の氏を使用でき、
戸籍も、新戸籍を希望すれば、新たな戸籍が編製されます。

ただし、両親が離婚となって、母親が子供の親権者となっても、
子供の氏や戸籍が自動的に母親と同じ氏・戸籍に変更されるわけではありません。

親権者となった母親が子供の氏を変更し、自分の戸籍に入れたいと考える場合、
家庭裁判所に対して子の氏の変更許可申請を行うことになります。

そして、その許可証をもって市役所に届け出れば、母親は自分と同じ戸籍に子供を
入籍させることができ、子の氏も母親と同じにすることができます。

子の氏の変更許可を求める申し立ては、子供がまだ15歳未満であれば、
母親が代わりに行うことができますが、15歳以上の場合には、子供自身が行います。
 

離婚後の相続トラブル

子供同士の相続争い

夫婦が離婚をすれば、他方を相続する権利を失います。
しかし、子供は両親の離婚によって親の相続権を失うことはありません。

例えば、離婚をした父親が再婚をしても、子供は父親の相続権を失うことはなく、
前婚の子供と後婚の子供は、父親の相続において同等の相続人となります。

前婚の子供と後婚の子供が、父親の遺産分けについて穏やかに話ができる訳がなく、
子供たちがいがみ合い、相続争いをするのは目に見えています。

よって、再婚後の妻子が安心して暮らせるように、そして、子供たちが嫌な思いを
しないようにと願うなら、父親の遺言書がどうしても必要となります。
 

遺産分割協議のトラブル

子供は両親の離婚によって親の相続権を失うことはなく、再婚の父親が死亡すれば、
前妻の子供も父親の遺産分割協議に参加する必要が生じます。

よって、前妻の子供に連絡をしないまま遺産分割協議を行なえば、
その遺産分割協議は、相続人全員が参加して行われていないため無効となります。
 

借金の相続トラブル

夫婦は、離婚をすれば他方を相続することはなく借金を相続することもありません。
しかし、子供は親の相続権を失わないため、無限に借金を背負うことがあります。

そこで、離婚した親が死亡した際、多額の借金があることが判明した場合には、
すぐさま家庭裁判所において、相続放棄の申述手続きをする必要があります。

この相続の放棄は、親が死亡し、自分が相続人になったことを知った時から3カ月
以内に行います。親が死亡してから3カ月以内ではないのでご注意下さい。
 

離婚における税金

贈与税

婚姻期間中に夫婦で協力して築いた財産を、財産分与として相手に渡した場合は、
贈与にあたらず贈与税はかかりません。

ただし、財産分与した金額があまりに多すぎると税務署から判断されると、
その過当部分については贈与とみなされ、贈与税が課されることがあります。

よって、財産が夫名義の不動産だけ、そのすべての不動産を妻に財産分与した場合、
場合によっては、「過当」とみなされる恐れがありますので十分注意が必要です。

また、独身時代の預貯金や、相続によって取得した不動産を財産分与として相手に
渡すことがありますが、その場合も贈与と評価されますので、十分注意が必要です。

譲渡所得税

譲渡所得税は、財産を分与した側に課せられる税金ですが、
時価が取得時より値下がりをしている場合には、課税の心配はありません。

不動産を財産分与する場合、取得の時より、現在価格が高くなっている場合には、
その差額に対して譲渡所得税が課せられます。

ただし、居住用不動産の場合には、3000万円の特別控除が受けられますので、
値上がり額が3000万円未満なら譲渡所得税はかかりません。

譲渡所得税の税率は以下のとおりです。

譲渡した年の1月1日における所有期間が5年を超える場合
→ 所得税 15% 住民税5%

5譲渡した年の1月1日における所有期間が5年を超えない場合
→ 所得税 30%住民税 9%

登録免許税

不動産の名義変更(登記名義の変更)の時にかかる税金で、その税率は、
固定資産税評価額の2%(1,000万円の不動産なら20万円)となります。

登録免許税は連帯して支払うべきもので、その税金をどちらが負担するかについての
法律上の決まりはなく、離婚時の協議によって決定することになります。

不動産取得税

財産分与として土地、建物、マンションなどの不動産を受け取ると、
受け取った側に、原則として不動産取得税が課せられます。

ただし、「夫婦共有財産の清算」を目的として不動産を受け取った場合には
不動産取得税はかかりません。

これは、夫から妻へ不動産名義が変わったとしても、もともと妻の持分であった
所有権を確認したにすぎず、実体としての財産の移転がないからです。

これに対し、慰謝料的な意味で財産分与を受けた場合、妻の生活保護を目的として
不動産を財産分与した場合には、不動産取得税が課税されます。

離婚の際、財産分与により不動産を取得し、法務局で名義変更の登記をすると、
その約3ヶ月後に不動産取得税の納税通知書が届くことがあります。

しかし、清算目的の財産分与である限り、不動産取得税を免れることができます。
離婚協議書には、その旨をはっきり記載しておくことが大事です。

また、仮に不動産取得税を支払うとしても、分与した側が支払うというとの
合意書を交わしておけば、不動産を受け取った側は安心です。
 

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