離婚調停の申立てをする

夫婦で離婚の話し合いがまとまらない場合、すぐに訴訟をすることはできず、
まずは家庭裁判所で離婚調停を行うことになります。

離婚調停の申立書は、家庭裁判所の受付窓口で取得できるほか、
裁判所のホームページからダウンロードすることもできます。

離婚調停の申立書には、「申立事情説明書」「調停(審判)の進行に関する照会回答書」
「子についての事情説明書」などの書類を併せて提出します。

家庭裁判所に提出した調停申立書の写しは相手にも送付されますので、
住所を隠している場合など秘匿事項がある場合には十分注意をしなければなりません。

離婚調停申立書の写しの送付を受けた相手方は、「『申立ての趣旨』についての意見」を、
調停期日の1週間前くらい前までに書面で回答することが求められます。

よって、申立人としては、相手方の提出した回答書について「調停記録の閲覧謄写申請」を行い、
調停が始まる前に相手方の意思や考えを確認しておくことが大切です。

相手方の回答書から、弁護士の存在が判明したり、合理的な話し合いが見込めるようであれば、
さらに詳しい事情説明書を用意して、争点に備えましょう。

夫に暴力があり、離婚調停の申立てをしたことに対する報復が予想される場合には、
「調停の進行に関する照会回答書」や事情説明書にその事情を詳しく書いておきましょう。

離婚調停の申立先

離婚調停は、夫の住所地または当事者間の合意で定めた家庭裁判所に対して、
申立書類と必要となる収入印紙と切手を揃えて提出するのが原則です。

ただし、申立てを受けた裁判所が、事件を処理するため特に必要があると認めるときは、
その裁判所に管轄権がなくても自ら処理することができます。(自庁処理)

従いまして、妻が未成年の子供と同居しており、離婚紛争の焦点が、子の親権、
養育費、面会交流など、子の監護をめぐる争いである場合や、

夫が生活費を払わないため、妻が生活費に事欠いている場合において、
夫が遠方に住んでいるような場合には、

妻は、妻の住所地を管轄する家庭裁判所に調停の申立てをすると同時に、
事情を詳しく述べて「自庁処理の申立て」をすれば良いでしょう。

さらに、夫からの生活費がなく、かつ、夫の住所地の家庭裁判所まで出頭できない場合には、
離婚調停の前に、お近くの家庭裁判所で婚姻費用分担の審判申立てを行いましょう。

「婚姻費用分担審判」と「審判前の保全処分」の申立てをお近くの家庭裁判所で行えば、
取り急ぎ、当面の生活費の問題を解決することが可能となります。

離婚調停をうまく活用するには?

家事事件手続法の施行により、離婚調停の申立書の写しが相手方に送付されるなど、
第1回目の調停期日から充実した調停がなされることが求められています。

離婚調停の申立てをすると、1週間~10日後に家庭裁判所から調停期日の通知があり、
申立てから約1ヵ月後に第1回目の離婚調停が開催されます。

離婚調停において、夫のDVなどの理由により、相手と直接顔を合わせたくない場合には、
その旨を家庭裁判所に伝えておきましょう。

離婚調停は毎月1回程度のペースで開催されますが、話し合いによる解決が基本であり、
調停委員、調停委員会に判定機能や決定権限はありません。

離婚調停は、ラウンドテーブル形式で行われ、基本的に、それぞれが個別に調停室に入り、
男女2名の調停委員からの質問に答える形式で行われます。

離婚調停がうまく進むかどうかは、自分の置かれた立場をいかに正確に、そして誤解なく
調停委員に理解してもらうかにかかっています。

しかし、裁判所の中という異質な環境の中、初対面の調停委員に対し、
これまでの経緯冷静に説明するのは非常に難しく、与えられた時間にも制約もあります。

調停委員を前にして、頭が真っ白になったり、感情が激しく乱れたり、言いたいことが言えず、
誤解が解けぬまま調停が終わってしまったということはよくあります。

従いまして、離婚調停が始まる前、あるいは、第1回目の離婚調停が終了した後に、
夫婦間の事情説明や離婚調停で望むことを書面に簡潔にまとめて提出しておきましょう。

離婚調停の前に自分の言いたいことを書面で提出しておけば、
調停期日に一生懸命説明をする必要がなくなり、誤解も減り、気持ちも楽になります。

ただし、相手方に対する恨みつらみ、悪口、うその記載は逆効果!
調停委員の印象を悪くすれば、調停が思うように進まなくなるのは必然です。

事情説明書は、争点における法的ポイントを明確に示しつつ、簡潔に書くのが基本です。
手書きは大変読みにくいので、パソコンを使って調停委員が読みやすいように作成しましょう。

家庭裁判所に提出した陳述書、事情説明書は、相手方が閲覧謄写を希望すれば、
可能な限り許可される扱いとなっていますので、その点にも十分留意しながら作成しましょう。

  • Facebook
  • twitter
  • Hatena