親権者の決定について

夫婦の間に子供がいる場合、離婚に際して父母のいずれか一方が親権者となります。
期間を定めて交互に親権を行使するようなことはできません。

協議によって、あるいは調停によっても親権者が決まらない場合、
裁判所に対し、審判の申立て、もしくは裁判の申立てをすることになります。
 

親権者指定の判断基準

裁判所は、父母のどちらを親権者とすることが子供の利益になるか、
その点を重視し、裁量によって判断をします。

具体的には、以下の諸般の事情が総合的に考慮されて判断がなされます。

  • 本人の監護の意欲や監護能力はどうか
  • これまでいずれが現実に子供の監護をしてきたか
  • 子の年齢や性別から、いずれの監護がふさわしいか
  • 子は、父母のいずれを希望しているか
  • 兄弟姉妹の関係はどうか
  • バックアップ体制はどうか

 
親権者の指定については、仕事で忙しい父よりも母が優先される傾向があり、
特に乳幼児、幼児については、母性の必要性から、母が優位に立つ傾向があります。

離婚前に夫婦が別居していれば、現実に子供を監護している親が断然優位となり、
親権は子の利益のためにあるので、当然、子供の意思も尊重されます。

子供が15歳以上のときは、裁判所は、子供の意思を聴取して
親権者指定の参考にしなければならず、(人事訴訟法33条4項)

子供が15歳未満であっても、意思を表明することができる年齢になっていれば、
兄弟姉妹不分離とともに、その意思は尊重されます。
 

親権者の変更

離婚後に親権者となった親がきちんと子供を養育しない場合、
家庭裁判所は、子の親族の請求により、親権者を変更することができます。

親権者の変更は、必ず家庭裁判所の審判または調停によって行わなければ
ならず、両親の合意だけで変更することはできません。

親権者変更の基準

親権者の変更は、一方親との離別という子供にとって重大な影響を及ぼすため、
変更によって、真にその子供の利益になるかどうかで判断されます。

具体的には、監護の環境、監護の意欲、従前の監護状況、子の意向、子の年齢
などの事情が総合的に考慮されて決定がなされます。

親権者変更の対象となる子供の年齢が15歳以上の場合には、
その子供の意向を聞いてから決定がなされます。

また、離婚の際の親権者変更とは異なり、現在の親権者との継続的な監護体制を
解消してまで変更をしなければならない特別な事情が判断において求められます。

現在の親権者が死亡した場合

離婚後に親権を行使していた親が死亡した場合、
その死亡によって直ちに他方の親が親権者となるわけではありません。

その場合、親族等の請求により、子供のために未成年後見人が選任されます。
あるいは、遺言によって、未成年後見人が親権者に代わって親権を行使します。

ただし、他方の親が親権者変更を希望する場合には、
家庭裁判所の審判により、親権者変更の適否が判断されます。

親権者が再婚をした場合

親権者が再婚をし、再婚相手と子供が養子縁組をした場合、その再婚相手は
共同親権者となるため、その後に親権者変更の手続きをとることはできません。

親権の喪失

親権者が親権を濫用した場合、家庭裁判所は、子供の親族の請求により、
その親権の喪失を宣告することができます。

例えば、子供を放置して食事を与えない、子供の財産を自分の遊興に使う、
など、子供の利益を害する行為が親権濫用の典型例となります。

両親のいずれにも親権喪失が宣告された場合には、
未成年後見人が選任され、未成年後見人が子供の親権を行使することになります。
 

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