子供を連れ去られた場合の手段

妻が子供を連れて夫婦別居を強行した!
夫や夫の両親が避難先や通園先に押しかけてきて子供を奪取した!

離婚において、もっとも熾烈な争いとなるのは子供の親権の問題、
そして、子供の奪い合いです。特に幼い子供の奪い合いは熾烈を極めます。

お互いの監護能力や体制に優劣がなければ、監護の継続性が重視されると知って、
その優位な地位を得るために、子供を奪おうとすることはよくあります。

奪われた子供を取り戻す方法としては、次の3つがあります。

  • 人身保護請求
  • 家事審判および審判前の保全処分の申立て
  • 刑事告訴

 

人身保護請求

かつて、夫婦間において子供の奪い合いが生じた場合、
迅速な子の救出が可能となる人身保護請求手続きがよく利用されていました。

しかし、平成5年度の判例変更により、別居中の子供の奪い合いなど、
共同親権者間の争いについては、利用が制限されるようになりました。

すなわち、共同親権者間において人身保護請求手続きが認められるためには、
請求者に監護された方が明白に子供の福祉に適することが要件とされ、

相手に監護させると著しく健康を損なう危険があったり、義務教育が受けれない
など、例外的な場合に限られることになりました。
 

人身保護請求の具体的手続き

人身保護請求の審問は、請求があった日から1週間以内に開かれます。
そして、拘束者は、審問期日に子供を裁判所に出頭させることを命じられます。

拘束者が命令に従わない場合は、「勾引、勾留」がなされ、
拘束された子供の救済を妨げる行為をした者には刑罰が科されます。

子供の連れ去りがあった場合に、すぐさまこの人身保護請求手続きが利用できる
わけではなく、以下の事情がある場合に手続きの利用が可能となります。

人身保護請求の適用要件

  • 子の連れ去りに顕著な違法性がある場合
  • 現在の状況が子の福祉に明白に反する場合
  • 親権者でない者が子を連れ去った場合
  • 先に家事審判を得ているにもかかわらず相手方がそれ従わないような場合

 

家事審判および審判前の保全処分の申立て

別居中の夫婦間において子の連れ去りがあった場合、顕著な違法性や、
子の福祉に反する明白な事情がない限り、人身保護請求手続きはとれません。

よって、この場合、家庭裁判所に対して

  • 別居中の子の監護者指定の審判申立て
  • 子の引渡しの審判申立て
  • 審判前の保全処分(子の引渡し命令)の申立て

 
以上の審判申立てを行って、
相手配偶者による子の連れ去りに対処することになります。

審判前の保全処分としての子の引渡し命令は、以下のことが検討されます。
著しい損害や急迫の危険を避けるため、特に必要な場合に発せられます。

保全処分の検討事項

  1. 監護者が未成年者を監護するに至った原因が、
    強制的な奪取またはそれに準じたものであるかどうか。
  2. 虐待の防止、生活環境の急激な悪化の回避、その他未成年者の福祉のために、
    未成年者の引渡しを命ずることが必要であるかどうか。
  3. 本案の審判の確定を待つことによって未成年者の福祉に反する事態を招く恐れが
    あると言えるのかどうか。

 
審判の実効性確保については、拘束された子供に意思能力がないなど、
一定の要件のもとでは直接強制が可能とされています。

また、ケースによっては、間接強制金の支払いを命じる間接強制も実施され、
審判の実効性を高める処置が高じられます。
 

刑事告訴

たとえ夫婦別居となっても、お互いに親権者であることに変わりはありません。
そのため、親権行使の一環として、強引な手法が用いられることがあります。

しかし、他方親の下で平穏無事に暮らしている子供を強引に連れ去ると、
刑法の未成年者略取罪(刑法224条)が成立します。

親権者なのだから、少しくらい実力行使があっても大丈夫!
などといった誤った説明やアドバイスがなされることがありますが、

強引に子供を連れ去るようなことをすれば、親権者として不適格と認定されたり、
刑法上の犯罪が成立する場合がありますので十分注意が必要です。
 

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